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ミリタリーG-1フライトジャケットの年代はタグで絞れる|MIL-J-7823の版と、1984年の山羊革から牛革へ

米海軍予備役のB.G.マクナブ中佐のG-1の襟と胸
写真:San Diego Air & Space Museum Archives既知の著作権制限なし(Flickr Commons)元のページ
この記事でわかること
- 年代は、タグの規格番号の英字と契約番号の年で絞れます。 規格番号 MIL-J-7823 の後ろの英字(A〜E、今の版は F)と、契約番号の中の年の2桁を見ます。→タグは何を語る?
- 規格の表革は1984年に山羊から牛に替わり、本物のムートンの襟は1971年の規格書でもまだ認められていました。 「全部がムートンの襟だったのはC版(1963年)まで」という収集家の見方と違い、規格書から本物のムートンが消えたのは今のF版(2020年)です。→毛皮の襟はいつまで本物?
- 題に「実物」とある国内の落札は、輸入の総額より低く出ています。 2026年9月29日、国内の「実物」の落札は中央値29,990円(19件)、米国発の中央値190ドルの物を輸入すると総額は43,378〜44,778円の見込みでした。→今、手に入る1着はいくら?
この記事は、手元や出品のジャケットの年代と版をタグから読み、国内と海外のどちらで買うかを決めるための手引きです。本物かどうかの判定はしません。
G-1の年代を、米国防総省の規格データベースにある規格書と、海外の収集家のガイドで確かめてみました。タグの規格番号の英字と、契約番号の年の2桁の2か所で、かなり絞れます。
年代・版を決めて、海外の出品を探す
1950〜60年代の版(MIL-J-7823〜D版)
タグの規格番号の後ろの英字と、契約番号の年の2桁で絞る
出品者が「1961 Contract USN G-1 … Ralph Edwards MIL-J-7823A」として出している品(セカイモン、2026年10月1日)
写真:セカイモンの出品(2026年10月)
英語の検索語
G-1 flight jacket MIL-J-78231971年以降のE版
1984年の改訂3より前の契約は山羊革、後は牛革
出品者が「Auth Vintage 1975 USN G-1 … MIL-J-7823E | Brill Bros.」として出している品(セカイモン、2026年10月1日)
写真:セカイモンの出品(2026年10月)
英語の検索語
G-1 jacket MIL-J-7823E1990年代末以降の官給品(DSCPのラベル)
牛革・合成の襟という持ち主の報告
出品者が「G-1 DSCP PHARR BRAND NAME APPAREL US NAVY Leather Flight Jacket」として出している品(セカイモン、2026年10月1日)
写真:セカイモンの出品(2026年10月)
英語の検索語
G-1 jacket DSCPG-1の名が入った最初の型55-J-14
1940年代末の型。当時の物と復刻が混ざる
出品者が「Vtg BUAER-US Navy G-1 … SPEC. 55J14 (AER)」として出している品(セカイモン、2026年10月1日)
写真:セカイモンの出品(2026年10月)
英語の検索語
55J14 G-1 jacket
国内なら古着店・ミリタリーショップ・ヤフオク・メルカリでも探せます(比べ方は買い方の選び方)。
目次
序 博物館に残る海軍の中佐のG-1から、何が分かる?
この1着の所蔵記録に書かれていないことを、タグで補う手順を追うと、あなたの手元や出品のG-1の年代も、タグの規格番号と契約番号の2か所で絞れます。写真の1着は、サンディエゴ航空宇宙博物館の収蔵品 072224.MAC.004 です。所蔵記録には「Type G-1」とあり、持ち主の B.G. マクナブは、第二次世界大戦で兵器を担当した士官で、米海軍予備役の中佐、のちにケープカナベラルで米国の宇宙計画を打ち上げたロケットの現場の運用を指揮した、と書かれています。胸には「Missile, Space and Range PIONEERS」と書かれた丸いパッチが付いています。ただ、所蔵記録には、規格の版も、契約番号も、作られた年もありません。G-1の系統がどう生まれたかは第1章、タグの読み方は第2章、通説と規格書の食い違いは第3章、持ち主たちの報告は第4章、今買うといくらかかるかは第5章、買う前に確かめることは第6章で書きます。
G-1はどんなフライトジャケット? 規格と革の履歴書
G-1は、米海軍の航空要員が着る茶色の革のフライトジャケットです。今も有効な規格 MIL-DTL-7823F(2020年6月9日)が、「中間の気温帯」で着る上着として作りを決めています。規格書は、米国防総省の規格データベース ASSIST にある E版(1971年)・E版の改訂3(1984年)・F版(2020年)の本文を読みました。1940年代の M-422 から D版(1966年)までの規格書は ASSIST に無く、その時期は海外の収集家の共同の調査(Vintage Leather Jackets Forum のガイド3.0)に頼っています。
表の要点は、表革が山羊革から牛革に替わったこと、襟が今は合成だけになったこと、サイズが7つから15に増えたことです。確度は次の4つで書き分けます。
| 項目 | 内容 | 確度 |
|---|---|---|
| 品名(今の規格) | Jacket, Flyer's, Intermediate, Type G-1 | 確定 |
| 規格番号 | MIL-J-7823(1951年〜E版)→ MIL-DTL-7823F(2020年6月9日)。2025年5月15日に「見直しの結果そのまま有効」の通知 | 確定 |
| 本文を読めた版 | E版 1971年1月15日(46ページ)、E版の改訂3 1984年10月18日(3ページ)、F版 2020年6月9日(49ページ) | 確定 |
| 規格の担当 | 海軍航空システム司令部(NAVAIR)と DLA の衣類・繊維の部門 | 確定 |
| 着る人 | 海軍の服装規則は、「茶色の革のフライトジャケット」を航空士・航空医官などの士官と、資格のある搭乗員の下士官が着るとしている。海兵隊・沿岸警備隊の航空要員も着るという説明もある | 確定(海軍)/報告(海兵隊・沿岸警備隊) |
| 扱い | 部隊が貸す服(organizational clothing)。転出のときに返す | 確定 |
| 表革 | E版は山羊革(KK-L-170)。改訂3から牛革(KK-L-162)。F版は牛革(MIL-DTL-32092)が基本で、山羊革(KK-L-170)も可 | 確定 |
| 襟 | 上の襟はムートン、下の襟は革。E版は本物のムートン(MIL-M-5631)か合成(MIL-C-6590)、F版は合成だけ | 確定 |
| 色 | 茶。F版は革が海軍色3756、ムートンが3755 | 確定 |
| 裏地 | ナイロンのオックスフォード(MIL-C-508、F版は MIL-DTL-508)で、革に近い色 | 確定 |
| サイズ | E版は36〜48の7つ。F版は32〜60の15と、丈が Regular・Long の2つ | 確定 |
| 前身 | M-422(1940年3月28日)から始まり、M-422a・AN-J-3・AN-J-3A・55-J-14を経て MIL-J-7823 に | 通説 |
| 納入メーカー(例) | 1940〜50年代は Willis & Geiger・Monarch・L.W. Foster・Cagleco など、1960〜70年代は Ralph Edwards・Star Sportswear・Brill Bros など、1990年代末以降は Excelled・Pharr など | 通説(契約の一覧は収集家の調査) |
今の規格(F版)は、どんな作りを決めている?
F版は、革の表・ウールのリブ・ムートンの上襟・USN の穴あけの当て布・真ちゅうのファスナーを決めています。E版の本文も、革の表・胴と袖の全体のナイロンの裏地・ムートンの上襟・当て布の USN の穴あけ・引き手の革ひもを定めています。
- 革の表に、ウールのリブの袖口と裾。襟の上側はムートン、下側は革。胴と袖の全体に裏地。
- 前はファスナーで閉じ、その内側の当て布に「USN」の穴あけの文字(高さ・幅とも1インチ)。
- 下に、フラップの付いた貼りポケットが2つ。ペン差しと内ポケットがある。
- 背中の両脇に、腕を動かしやすくするためのひだ(ガセット)。
- ファスナーは真ちゅうで、引き手に革のひも(長さ2½インチ)を結ぶ。F版は、スライダーを10号(heavy)・長さ1¼インチと決めている。E版は、引き手を長さ1¼インチの針金の輪(wire stirrup)としている。
第1章 G-1はどう生まれ、どう変わった? 1940年のM-422から今も有効なF版まで
1940年の M-422 から今のF版まで、名前と規格番号が何度も変わっています。年表にまとめてみると、ラベルに「G-1」と入ったのは1940年代末の55-J-14からでした。
G-1の系統は1940年の海軍の仕様 M-422 に始まり、1951年に MIL-J-7823 の規格になり、2020年のF版(MIL-DTL-7823F)が今も有効です。ラベルに初めて「G-1」と入ったのは、1940年代末の55-J-14です。
1950年代のパッチを付けた、海軍航空局の官給品は?

米海軍のウォルター・シラー少佐が着た、海軍航空局(BuAer)の官給品のG-1。シラー家からサンディエゴ航空宇宙博物館への貸し出し品
写真:San Diego Air & Space Museum Archives既知の著作権制限なし(Flickr Commons)元のページ
博物館には、1950年代のパッチを付けたG-1がもう1着あります。所蔵記録によると、米海軍のウォルター・シラー少佐(LCDR)の茶色の革のG-1で、毛皮の襟が付き、「Buaer-U.S. Navy issue」、つまり海軍航空局(Bureau of Aeronautics)の官給品です。シラー家からの貸し出し品です。所蔵記録が挙げるパッチと名札は次のとおりです。
- 左肩:第12空母航空群(Navy Carrier Air Group 12)のパッチ。所蔵記録は1950年代の物としている
- 右肩:第124戦闘飛行隊(VF-124)のパッチ
- 右胸:米空軍の第5戦闘迎撃飛行隊(F-106)のパッチと、朝鮮戦争のころの米海軍の「Demon Driver」のパッチ(所蔵記録には FJ-3 の名もある)
- 左胸:「W.M. Schirra」の革の名札
海軍の上着に米空軍の飛行隊のパッチが付いているわけは、所蔵記録に書かれていません。所蔵記録の「Buaer」は、収集家が1950年代の規格番号の括弧の「AER」を海軍航空局の略と読むのと、同じ役所の名前です(推論。この1着のタグの文字は所蔵記録に書かれていません)。
年表:M-422から今のF版まで
E版より前の日付は、ASSIST に規格書が無いため、収集家のガイドの参考文献の一覧から取りました。
| 年 | 出来事 | 確度 |
|---|---|---|
| 1940年3月28日 | 海軍の仕様 M-422。ムートンの襟・背中のひだ・レーヨンの裏地。収集家のガイドは、それより前の 37J1 系を前身と見ていない | 通説(日付・作り)/報告(前身の扱い) |
| 1940年10月1日 | M-422a。12月7日の改訂で袖が2インチ長くなる | 報告 |
| 1943年 | 陸海軍の共通の仕様 AN-J-3(4月15日)と AN-J-3A(収集家のガイドは10月5日、Wikipedia英語版は10月6日) | 通説(年)/AN-J-3A の日は未確定 |
| 1947年または1949年 | 55-J-14。ラベルに初めて「G-1」と入った型。規格の日付は、収集家のガイドが1947年10月31日、Wikipedia英語版が1949年5月10日で、食い違う | 通説(型)/日付は未確定 |
| 1951年11月21日 | MIL-J-7823(英字なし) | 通説 |
| 1950年代 | シラー少佐の1着の左肩のパッチ(第12空母航空群)の時期。上着は海軍航空局の官給品 | 確定(所蔵記録) |
| 1958〜1963年 | A版(1958年11月28日)、B版(1960年10月7日)、C版(1963年9月3日) | 通説 |
| 1961年10月1日 | 国防総省の補給の機関 Defense Supply Agency(DSA)ができる | 確定 |
| 1966年4月19日 | D版(MIL-J-7823D(WP)) | 確定(E版の表紙) |
| 1971年1月15日 | E版(MIL-J-7823E(AS))。サイズ7つ、山羊革、本物か合成のムートン | 確定 |
| 1976年6月24日 | E版の改訂2(中身は読めていない) | 確定(日付) |
| 1977年1月1日 | DSA が Defense Logistics Agency(DLA)に名前を変える | 確定 |
| 1979〜1981年 | 予算の都合で新しい搭乗員への支給を止め、1981年初めに海軍長官が撤回した | 報告 |
| 1984年10月18日 | E版の改訂3。山羊革を外し牛革に。ラベルの項目も変わる | 確定 |
| 1986年 | 映画『トップガン』でトム・クルーズが着る | 通説 |
| 2020年6月9日 | F版(MIL-DTL-7823F)。15サイズ・2つの丈、襟は合成だけ | 確定 |
| 2025年5月15日 | F版の見直しの通知(そのまま有効)。次の見直しは2030年 | 確定 |
では、マクナブ中佐の1着のように、所蔵記録に版も年も書かれていないG-1は、どこを見れば年代が分かるのでしょうか。第2章でタグを読みます。
第2章 タグは何を語る? 品名・契約番号・革で年代を読む
タグの読み方には、規格書で確かめられた部分と、収集家の調べに頼る部分が混ざっています。表の「確度」の欄も合わせて見てください。
年代を絞る手がかりは、(1) タグの品名と規格番号、(2) 契約番号、(3) NSN(ストック番号)、(4) 革・襟・ファスナー・タグの色、の4つです。(1) の E版以降と (2) の書式の一部は規格書で確かめた事実で、それ以外は収集家の調査による目安です。ここに書くのは「いつごろの規格・契約の物か」を絞るための材料で、軍に納められた物か、本物かどうかを決める材料ではありません。
写真の2着の所蔵記録から、何が読める?

米海軍予備役のB.G.マクナブ中佐が使ったG-1。所蔵記録は「Type G-1」とだけ書き、版と製造年の記載は無い。サンディエゴ航空宇宙博物館の収蔵品
写真:San Diego Air & Space Museum Archives既知の著作権制限なし(Flickr Commons)元のページ
2着の所蔵記録に書かれた事実を、この章の道具で読むと次のようになります。
| 所蔵記録・写真にある事実 | そこから読めること | 確度 |
|---|---|---|
| マクナブ中佐の1着:「Type G-1」とだけある | 規格の版・契約番号・製造年は所蔵記録に無い。年代を絞るには、タグの品名・規格番号・契約番号を読む | 確定(所蔵記録) |
| シラー少佐の1着:「Buaer-U.S. Navy issue」 | 海軍航空局の官給品。1950年代の規格番号の括弧の「AER」と同じ役所の名前 | 官給品は確定(所蔵記録)、AER とのつながりは推論 |
| シラー少佐の1着:1950年代の空母航空群のパッチ | パッチの時期は分かるが、上着が作られた年はパッチからは決められない | 確定(所蔵記録) |
| 2着とも毛皮の襟(シラー少佐の1着は所蔵記録に「fur collar」) | 本物か合成かは所蔵記録に無い。D版から合成も使えるようになったとされ、F版は合成だけ(第3章) | 写真は事実、版の話は通説・確定 |
| 2着とも前はファスナー、下に雨ぶたの付いたポケット2つ(写真) | E版・F版の規格書が決める作りと同じ | 確定 |
あなたの手元や出品の物は、下の1〜5の順で読めます。
1. タグの品名と規格番号で、どの版か分かる?
目安になります。品名の書き方が版ごとに違い、E版(1971年)とF版(2020年)は規格書の文言と照らせます。
| 規格 | タグの品名 | 確度 |
|---|---|---|
| MIL-J-7823(1951年) | Jackets, Flight, Leather, Intermediate, G-1 | 報告 |
| 7823A・7823B | Jackets, Flying, Man's, Type G-1 | 報告 |
| 7823C・7823D | Jackets, Flying, Man's, Intermediate, (Type) G-1 | 報告 |
| 7823E(1971年) | JACKET, FLYER'S, INTERMEDIATE, TYPE G-1 | 確定 |
| MIL-DTL-7823F(2020年) | NOMENCLATURE: JACKET, FLYER'S INTERMEDIATE, TYPE G-1 | 確定 |
- 米海軍歴史遺産司令部が持つ、1960年代に空母エンタープライズの艦長だった提督のG-1のタグは「Jacket, Flying, Man's / Intermediate, Type G-1」です。収集家の一覧の C版・D版の品名と合います(推論)。
- 規格番号の後ろの括弧は、規格を出した部局の略号です。E版の表紙は「(AS)」、D版は「(WP)」です。収集家は、B版・C版の「WEP」を海軍兵器局、1950年代の「AER」を海軍航空局の略としています(報告)。
- 新しい版が出た後も、しばらく古い規格番号のタグを付けた契約があった、と収集家は書いています。A版の最初の2つの契約は「MIL-J-7823」の表示でした(報告)。タグの版は目安で、製造年そのものではありません。
2. ラベルに書く項目は、版でどう変わった?
いちばん大きな変化は製造年月の欄で、1971年のE版にはあり、1984年の改訂3で消え、2020年のF版で製造日として戻ります。
| 規格 | ラベルの項目 |
|---|---|
| E版(1971年) | 品名、サイズ、MIL-J-7823E(AS)、契約番号(Contract or order number)、メーカー名、製造年月(月と年)、FSN |
| E版の改訂3(1984年) | 品名、サイズ、MIL-J-7823E(AS)、メーカー名、NSN、契約番号。製造年月の行が無くなる |
| F版(2020年) | 品名、サイズ、規格番号、メーカー名、NSN、素材(表革・リブ・裏地・ムートン)、契約番号、ロット番号、製造日 |
- 改訂3より後で製造日の欄が無い物は、契約番号の年で時期を読むことになります(推論)。
- F版のラベルの素材の例は「MOUTON: 100% MOD ACRYLIC」です。F版の規格書には、本物のムートンの材料の規格がありません。
- F版の契約番号の記入例は「SPM1C1-10-D-0000」です。
3. 契約番号とNSNから、年とサイズをどう読む?
年は、契約番号の DSA・DLA などの後の番号に続く2桁で読みます(DSA-100-67-C なら67)。サイズは、収集家の調べでは NSN の末尾の4桁がサイズごとに1つずつ増えます。
| 時期 | 契約番号の書式の例 | 年の読み方 |
|---|---|---|
| 1950年代末〜1960年 | QM(CTM)…-C-60 など | 末尾の2桁が年(報告) |
| 1961〜1976年 | DSA-1-2071-63-C、DSA-100-67-C-1095 など | DSA の後の番号に続く2桁が年(通説) |
| 1977年以降 | DLA100-…(DSA が DLA に改称) | 同じく年の2桁(報告) |
| 1990年代以降 | DSCP のラベル、SPO・SPM1C1 などの頭 | —(書式は規格書の例まで) |
- 「DSA100-72」を1972年、「76-C」を1976会計年度と読んだ回答が、海外のフォーラムにあります(通説)。頭が DSA なら1977年より前、DLA なら1977年以降の契約と考えられます(推論)。
- 収集家のガイドによると、G-1のNSNは「8415-00-268-XXXX」(古い物は「8415-268-XXXX」)で、サイズ36が7797、1サイズ上がるごとに1つ増えます(38が7798、40が7799、42が7800、44が7801、46が7802)(報告)。同じガイドは、復刻の中にサイズが違っても同じNSNを印刷した物がある、と指摘しています。NSN の読み方の全体はNSNの節にあります。
4. 革・襟・ファスナー・タグの色で、何が分かる?
革は、1984年の改訂3の前か後かの目安になります。襟・ファスナー・ポケット・タグの色は、収集家が現存品から調べた目安です。
| 手がかり | 目安 | 確度 |
|---|---|---|
| 革 | E版(1971年)は山羊革だけ。1984年の改訂3から牛革(山羊の銀面に似せた仕上げは可)。1976〜84年は山羊と牛のどちらもあったという持ち主の話も | 確定(1971年・1984年)/報告(1976〜84年) |
| 襟 | D版から合成のムートンも使えるようになった。E版は本物・合成のどちらも可、F版は合成だけ | 通説(D版)/確定(E・F版) |
| 襟の色の変化 | 本物のムートンは茶から金色っぽく、合成(Dynel)は黒から灰色っぽく変わる | 報告 |
| ファスナー | 7823A の途中で5号から10号に、B版から「ペーパークリップ」形の引き手(B版は黒、C版から真ちゅう) | 報告 |
| ポケットのフラップ | 1940〜50年代は波形や三角の物、7823A 以降は丸い形 | 報告 |
| タグの色 | E版の途中から白いタグ(E版の最初の2契約は黒) | 報告 |
5. 官給品・売店向け・民生品は、ラベルがどう違う?
官給品は白い DLA・SPO などのタグ、民生の品は黒い無地のメーカー名だけのラベル、という回答が海外のフォーラムにあります(報告)。売店向けの品は、ラベルを替えた物があったとされます。
- 契約の余りを海軍の売店(Navy Exchange)に回すときはラベルを替える決まりがあり、Brill・Orchard・Cooper・Excelled がそうしていた、という元担当者の話を収集家のガイドが紹介しています(報告)。契約番号を黒く塗ってラベルを重ねた Brill Bros の物を、納入に回らなかった品と見る書き込みもあります(報告)。
- 傷んで払い下げる物は、部隊が当て布(USN の穴あけの部分)を切り取り、タグを切り取ることもあった、という話もあります(報告)。
同じ「G-1」に別物はある? 官給品・民生品・復刻
あります。いちばん違いが出るのは革と襟です。今の規格は牛革か山羊革に合成の襟、日本の復刻には植物なめしの山羊革にムートンの物があります。今の規格と1990年代末以降の官給品は合成の襟で、本物のムートンの襟は日本の復刻と米国の民生品の一部に見られます。
| 種類 | 革 | 襟 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 今の規格(F版) | 牛革(山羊の銀面の仕上げ)か山羊革 | 合成のムートン(モダクリル) | 確定 |
| 1990年代末以降の官給品(Excelled・Pharr など) | 牛革という持ち主の報告 | 合成 | 報告 |
| 米国の民生品(Cockpit USA・US Wings など。Cooper は官給品も民生品も作った) | —(銘柄と品で違う) | Cockpit USA・US Wings は本物のムートンを使う物がある、という持ち主の書き込み | 報告 |
| 日本の復刻(バズリクソンズ 55-J-14) | 植物なめしの山羊革 | ムートン | 確定(記事) |
- 日本の復刻の例では、バズリクソンズが2024年秋冬に、55-J-14を当時の納入業者 A. Pritzker & Sons の名で復刻し、植物なめしの山羊革を使っています(231,000円)。一方、収集家のガイドは、当時の官給品の革はクロムなめしだったと書いています(報告)。E版の規格書の山羊革の規格も「クロムなめし」です。
M-422など前身の型とは、何が違う?
前身の型は、縫い糸・袖の長さ・ラベルの名前で違います。ラベルに初めて「G-1」と入ったのは、1940年代末の55-J-14です。
| 型 | 時期 | 特徴 | 確度 |
|---|---|---|---|
| M-422 | 1940年 | 絹の糸。契約は Willis & Geiger と Switlik の2社だけ | 報告 |
| M-422a | 1940〜42年 | 絹に加えて麻の糸。袖が2インチ長い | 報告 |
| AN-J-3・AN-J-3A | 1943年 | 陸海軍の共通の仕様。AN-J-3 は上着ではラベルだけの変更。1943年は革が足りず、海軍はこの時期に M-422a・AN-J-3・AN-J-3A を発注しなかったという説明がある | 報告 |
| 55-J-14 | 1940年代末 | ラベルに初めて「G-1」 | 通説 |
- 収集家のガイドは、同じ規格の中でもメーカーと契約ごとの違いのほうが大きい、と書いています(報告)。たとえば、1940年12月の Monarch の契約はタグに「M-422」とありますが、M-422a の後に結ばれ、袖も長い型です。
- 陸軍航空隊の A-2 との違いは、G-1とA-2の違いにまとめています。
映画『トップガン』の上着は、どのG-1?
- どの契約の物かは、分かっていません。1986年の映画でトム・クルーズが着た上着は、写真が無く確かめられていないためです。収集家のガイドは、1着は Foster の 55-J-14 だったかもしれない、と推測しています(報告)。
- 2022年の続編『トップガン マーヴェリック』の衣装デザイナーは、元の上着が傷んでいたため、世界の業者から40着以上の古いG-1を集め、組み合わせて新しい上着を作ったと話しています(通説)。
写真の2着は、どちらも毛皮の襟です。では、G-1の襟はいつまで本物のムートンだったのでしょうか。収集家の見方と規格書は、違うことを書いています。
第3章 毛皮の襟はいつまで本物? 規格書と通説の食い違い
E版(1971年)の規格書を読んでみると、本物のムートンの襟はまだ認められていました。「全部がムートンだったのはC版まで」という収集家の見方とは、ここが食い違います。
規格書で見ると、本物のムートンの襟は1971年のE版でもまだ認められていて、規格書から本物の記載が消えたのは、今回読んだ中では2020年のF版です。収集家はC版(1963年)を「全部がムートンの襟だった最後の版」と見ています(報告)。規格書が「使ってよい」と決めた材料と、実際に納められた物は別の話で、E版から改訂3までの間に、実際の納入品がどちらだったかは確かめていません。
写真の2着も、本物か合成かは分かりません。シラー少佐の1着の所蔵記録は「fur collar」(毛皮の襟)とだけ書き、マクナブ中佐の1着の所蔵記録は襟に触れていません。
襟のほかにも、日本語の記事や一般の資料と規格書が食い違う点があります。
| 論点 | 記事・収集家の説明 | 規格書・原典 | 確度 |
|---|---|---|---|
| 本物のムートンの襟の終わり | C版(1963年)が全部ムートンの最後の版 | E版(1971年)は本物(MIL-M-5631)か合成(MIL-C-6590)、F版(2020年)は合成だけ | 規格書は確定、収集家の見方は報告 |
| 支給を止めた時期 | 「1976年に採用中止、1984年に復活」(日本語の記事)/1979〜1981年(Wikipedia英語版) | 原典は見つかっていない | 未確定(要確認) |
| 着る気温 | 「−10〜10℃」(日本語の記事) | 規格書は「中間の気温帯」とだけ書き、数字は無い | 規格書は確定 |
| 55-J-14の日付 | 1947年10月31日(収集家のガイド)/1949年5月10日(Wikipedia英語版) | ASSIST に規格書が無い | 未確定 |
| 暑い海域で襟を外した話 | ベトナム戦争のころ暑い海域で毛皮の襟を外した(復刻の会社の説明) | 元搭乗員が疑問を書いている。貸与品は返すので規格から外れる改造はしにくかった、という話 | 報告 |
- 「1976年に採用中止、1984年に復活」の1976年と1984年は、E版の改訂2と改訂3の年と重なります。1976年の契約の官給品だと持ち主たちが読んだタグもあります。どの説が正しいかを示す原典は見つかっていません。
- 規格書の用途の欄には、何度から何度かの数字がありません。日本語の記事にある「−10〜10℃」は、規格書の数字ではありません。
- 「本物のムートンならC版より前」と決めつけず、タグの版と合わせて見てください。
規格書と所蔵記録で分かるのは、ここまでです。着たときの暖かさや形は、書類に残りません。それは持ち主たちの報告にあります。
第4章 持ち主たちは何につまずき、何を見つけた?
海外のフォーラムを読んでみると、「冬の防寒着ほど暖かくない」という声が目立ちました。真冬の上着として考えている方は、この章を先に読んでみてください。
持ち主たちが着てから気づくのは、冬の防寒着ほど暖かくないことと、細めの形です。海外のフォーラム2つ(The Fedora Lounge・Vintage Leather Jackets Forum)の8スレッド(2017年2月〜2025年6月に始まったもの。Vintage Leather Jackets Forum のガイドは1スレッドの4ページ分)と、日本語の記事2本、X の投稿4件(2024年11月〜2026年5月)を読み、話題ごとにまとめました。件数はその話題に触れたスレッド・記事・投稿の数です。フォーラムは主に Internet Archive の保存版で読みました。X の投稿は検索で見つかった物だけで、全体の数ではありません。投稿者の名前は出しません。
着てから気づいた、という報告
| 話題 | 件数 | 時期 | 要点 |
|---|---|---|---|
| 暖かさ | 2 | 2019〜2024年 | 「冬の防寒着ではなく、暖かさは A-2 と変わらない革のウインドブレーカー」という意見。バイクでは前から風が入るという日本の記事も |
| 着心地と形 | 2 | 2024〜2025年 | 背中のひだで腕を動かしやすく、A-2 より実用的という声。細めに着る服という意見 |
| 値段の感覚 | 1 | 2025年 | 官給品の古着は今でも比較的手ごろで、復刻より安いこともある |
年代と作りの話題(件数はスレッド・記事・投稿の数)
年代と作りの話題は、契約番号の読み方・革と襟の世代・官給品か民生品かの3つが中心です。
| 話題 | 件数 | 時期 | 要点 |
|---|---|---|---|
| 年代の読み方 | 4 | 2019〜2025年 | 契約番号の年の2桁、タグの色、ファスナーで時期を読む |
| 革と襟の世代 | 3 | 2017〜2025年 | 1970年代半ば以降は牛革が多く、今の官給品の襟は合成。本物のムートンの物を好む声 |
| 官給品か民生品か | 3 | 2019〜2025年 | ラベルの色・契約番号・売店向けの品の話 |
| 復刻の銘柄 | 2 | 2024〜2025年 | 米国・英国・日本の復刻の比較(Good Wear・Eastman・Rainbow Country・Buzz Rickson's・Aero) |
| X の話題 | 4 | 2024年11月〜2026年5月 | 市販の G-1 の着こなしの感想1件、衣料品の会社の「TOP GUN」の品の案内1件、映画の40周年の上映・グッズの告知2件 |
代表的なスレッド
- 初めての本格的なG-1を選ぶ相談に、暖かさ・日本の復刻・米国の職人の品について意見が集まったスレッド(2024年10月)。
- 収集家3人が2024年12月から書き続けているガイドは、規格書と契約の記録を元に、契約ごとの特徴を並べています。序文で「G-1の85年の歴史について、信頼できる参考書は無い」と書き、日本の資料本の推測が事実として繰り返されてきた、とも指摘しています。
- 1999〜2008年の Excelled の官給品を持つ人たちが、牛革・合成の襟・大きな引き手について話したスレッド(2017年2月)。1998年の契約は Schott で、1999年から Excelled になった、という書き込みもあります(報告)。
海外と日本で、見るところはどう違う?
- 海外のフォーラムは、契約ごとの細部と、着て使う話(暖かさ・形)が中心です。今回読んだ日本語の記事2本は、年代の見分け方と映画『トップガン』の話が中心でした。
- 日本の中古市場はミリタリーの人気が今は弱めで安く買える、という海外の書き込みがあります(2024年)(報告)。
- 日本語の検索候補には「本物 見分け方」「年代 判別」「トップガン」「バズリクソンズ」「サイズ選び」「バイク」が並びました。
タグで年代を絞れたら、次は値段です。第5章では、国内の落札と、米国から取り寄せたときの総額を並べます。
第5章 今、手に入る1着はいくら? 国内の落札と輸入の総額
国内の落札と米国の出品を、両方数えてみました。今回は、総額だけなら国内のほうが低く出ています。海外で探す意味があるのは、どんな場合でしょうか。
2026年9月29日の観測では、国内の「実物」の落札の中央値は29,990円、米国発の出品の中央値190ドルの物を輸入すると総額は43,378〜44,778円の見込みで、国内のほうが低く出ています。調べたのは私で、国内はヤフオクの落札(過去約180日に終わった分)、海外は eBay の米国発の出品(セカイモンの検索画面の1ページ目)です。題を目で見て分けただけで、本物かどうかや状態の判断はしていません。「実物」は出品者が題に書いた言葉です。
国内ではいくらで落札されている?(ヤフオク)
題に「実物」とある G-1 の上着は中央値29,990円、題から官給品と読める「7823」の物は中央値46,200円でした。
| 検索語 | ヒット | 数えた件数と除外の基準 | 中央値 | 範囲 |
|---|---|---|---|---|
| G-1 実物 | 40件 | G-1 の上着19件。資料本・ピンバッジ・シャツ類・ほかの型(A-2・B-15B・L-2B・M-41など)を除き、第二次世界大戦の前身(AN-J-3A・M-422A)の2件は別に数えた | 29,990円 | 7,975〜99,000円 |
| 同上の前身の型 | — | AN-J-3A 1件・M-422A 1件 | — | 50,000円・118,888円 |
| G-1 フライトジャケット 7823 | 23件 | 題から官給品と読める6件(規格番号・年代・メーカーの表記で分けた。上の検索との重複を除く) | 46,200円 | 30,800〜160,000円 |
| 同上(AVIREX の品) | — | 11件(別の型の1件を除く) | 12,150円 | 7,975〜62,902円 |
| 同上(日本の復刻) | — | バズリクソンズ2件・リアルマッコイズ1件 | — | 45,760〜86,900円 |
- 「7823」の検索では、官給品より市販品(AVIREX)の落札が多く、市販品にも「SPEC.7823」「MIL-J-7823D」と題に書いた物がありました。題の規格番号だけでは区別できません。
- 題に年代や契約の年がある官給品は、1963年度(20,500円)、1969年製(37,000円)、1972年の Brill Bros(25,000円)、1974年(26,500円)、1976年の E版(29,990円)などでした。
米国発の出品はいくら?(eBay)
即決の中央値は、広い検索で190ドル、規格番号で301ドル、1990年代以降の官給品(DSCP)で539ドルでした。
| 検索語 | 件数 | 即決価格の中央値 | 範囲 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| G-1 flight jacket | 25件(即決19件) | 190ドル | 60〜400ドル | 全部が米国発。民生品(Cooper など)も混ざる。米国内の送料は中央値11.3ドル |
| MIL-J-7823 | 25件(即決24件) | 301ドル | 80〜979.61ドル | 1950年代の AER、B〜E版などの題 |
| G-1 jacket DSCP | 20件(即決18件) | 539ドル | 200〜1,099ドル | 1990年代以降の官給品(Excelled・Pharr)の新品・中古 |
出品は日々入れ替わります。今の出品は、版で絞るならセカイモンで「G-1 flight jacket MIL-J-7823」の出品を見る、1990年代以降の官給品ならセカイモンで「G-1 jacket DSCP」の出品を見るから確かめられます。
今出ている品の例(2026年10月1日)

出品者が「1940s … G-1 USN Navy 55J14 (Aer)」として出している品(セカイモン、2026年10月1日)
写真:セカイモンの出品(2026年10月)

出品者が「1950s US Navy Leather Flight Jacket G-1 … Cagleco MIL-J-7823」として出している品(セカイモン、2026年10月1日)
写真:セカイモンの出品(2026年10月)

出品者が「Vintage 60s US Navy G-1 … Ralph Edwards MIL-J-7823C WEP」として出している品(セカイモン、2026年10月1日)
写真:セカイモンの出品(2026年10月)

出品者が「VTG 60's USN G-1 … MIL-J-7823D (WP) Star Sportswear」として出している品(セカイモン、2026年10月1日)
写真:セカイモンの出品(2026年10月)

出品者が「VTG 1984 US Navy G-1 … Ralph Edwards Leather MIL-J-7823E」として出している品(セカイモン、2026年10月1日)
写真:セカイモンの出品(2026年10月)

出品者が「G-1 Leather Flight Jacket Excelled … DSCP」として出している品(セカイモン、2026年10月1日)
写真:セカイモンの出品(2026年10月)
写っているのは出品者の品です。本物かどうか・年代・状態は、当サイトでは確かめていません。
輸入すると総額はいくら?(代行のセカイモンを使う場合)
190ドルの物なら、総額は43,378〜44,778円(関税10%の場合)です。
| 商品の価格 | 総額の目安(一般の関税率10%) | 総額の目安(16%の場合) |
|---|---|---|
| 150ドル | 35,540〜36,861円 | 36,645〜38,380円 |
| 190ドル(「G-1 flight jacket」の中央値) | 43,378〜44,778円 | 44,758〜46,599円 |
| 300ドル(「MIL-J-7823」の中央値に近い) | 64,929〜66,552円 | 67,067〜69,200円 |
| 539ドル(「DSCP」の中央値) | 111,755〜113,859円 | 115,540〜118,305円 |
試算は、1ドル150円・梱包後2.0kg・関税10%か16%を前提に、このブログの総額計算機と同じ式で出しました。
- 為替は1ドル150円、米国内の送料は12ドル(「G-1 flight jacket」の米国内の送料の中央値11.3ドルに近い値)、米国の売上税は0ドル。
- 梱包後の重さを2.0kgと仮定し、国際送料は料金表の27.5ドルの区分(4,125円)。実測ではありません。
- セカイモンの手数料は、5,937円以下なら950円、それを超えると商品価格の16%。
- 革の衣類は簡易税率を使わず、一般の関税率になります。関税率表の「革製の衣類」(4203.10)は、毛皮をトリミングに使った物がWTO協定税率16%、その他の物が10%です。本物のムートンの襟が「毛皮のトリミング」に当たるかは確かめていないため、両方で計算しました。
- 課税価格は、下限がセカイモンの示す「購入金額×0.6」(購入金額は商品価格・米国内の送料・手数料の合計)、上限は国際送料なども足した保守的な額です。0.6掛けの特例は、2026年の法改正で2028年4月1日に廃止されます。→2028年4月からの変更
この試算から分かること
- 今回の観測では、国内の「実物」の落札の中央値(29,990円)は、米国発の中央値(190ドル)の物を輸入した総額(43,378〜44,778円)より低く出ました。ただし国内は落札済みの値段、米国は出品中の即決の値段で、米国の検索には民生品も混ざります。
- 規格番号を題に書いた官給品で比べても、国内(中央値46,200円、6件)に対し、米国(中央値301ドル)に近い300ドルの物の輸入の総額は64,929〜66,552円でした。
- 「それなら国内で買えばいいのでは?」と思うかもしれません。総額だけならそうですが、米国発の出品は「DSCP」の検索だけで20件あり、1990年代以降の新品や、サイズの大きい物(46・48)が並んでいました。値段ではなく、欲しい版・メーカー・サイズが国内にあるかで選ぶ場面が多いと考えられます(推論)。
- 市販品(AVIREX)は、国内の落札の中央値が12,150円でした。輸入すると手数料・送料だけで6,000円を超えるため、国内で探すほうが総額は低くなりやすいです(推論)。
自分の条件で計算するときは、次の計算機を使ってください(品目は「その他の革製品」、一般の関税率に10を入れる)。
ツール総額計算機
単独のページで開く商品の価格と送料などを入れて、支払う総額の目安を計算します。
支払う総額の目安
商品の価格を入れると、総額の目安が出ます。
0.6掛けの特例は2028年4月1日に廃止されます(法律は成立済み)。それ以降に届く荷物は、このツールでは計算しません。
出典: 財務省「第221回国会における財務省関連法律(成立日・公布日)」、e-Gov法令検索「関税定率法 第4条の6(令和8年法律第5号による改正、2028年4月1日施行の版)」
この金額は目安です。実際の関税・消費税は、通関の後にセカイモンから届く確定のお知らせで決まります。為替・送料・課税価格の扱いがわからない部分は、幅と「要確認」で示しています。燃油サーチャージは含んでいません。
規格が今も有効なG-1に、最近何があった?(2024〜2026年)
目立つのは、映画『トップガン』でトム・クルーズが着たと写真で照合された上着の落札(2025年3月、81,900ドル)と、公開40周年の催し(2026年)です。G-1を主役にした2023〜2026年の報道は多くなく、見つかった6件のうち4件が映画『トップガン』にまつわる動きです(表は新しい順)。
| 日付 | 動き |
|---|---|
| 2026年5月 | 映画『トップガン』の公開40周年の公式グッズが日本で発売される、というプレスリリース |
| 2026年5月13〜21日 | 『トップガン』40周年の日本での限定上映(4月21日に告知) |
| 2025年5月15日 | 規格 MIL-DTL-7823F の見直しの通知。取り消されず有効のまま |
| 2025年3月26日 | 映画の小道具の競売(Propstore、ロサンゼルス)で、『トップガン』でトム・クルーズが着たと写真で照合された上着が81,900ドル(手数料込み)で落札 |
| 2025年1月10日 | バズリクソンズの 55-J-14 の復刻(2024年秋冬、231,000円)を雑誌のウェブ版が紹介 |
| 2024年11月 | 衣料品の会社が「TOP GUN」の品として G-1・MA-1 を X で案内 |
- 背景として、2020年6月に規格が E版から F版に替わり、襟は合成だけ、サイズは15に広がりました。2022年の続編の衣装の話は、第2章の「映画『トップガン』の上着は、どのG-1?」にあります。
海軍航空局の略号「AER」のタグを探すなら、どこを見る?
あなたが、シラー少佐の1着のような海軍航空局の官給品を、タグの規格番号から探すなら、見るのはタグの2か所です。所蔵記録から分かるのは、この1着が海軍航空局の官給品で、1950年代のパッチが付いていることまでで、上着が作られた年は書かれていません。
- 規格番号の後ろの括弧: 「AER」。収集家は、1950年代の規格番号の括弧の AER を海軍航空局の略と説明しています(報告)。B版・C版の「WEP」は海軍兵器局の略とされるので、AER と WEP で1950年代と1960年代前半を分けて探せます(推論)。
- 契約番号の末尾の2桁: 1950年代末〜1960年は「QM(CTM)…-C-60」のような書式で、末尾の2桁が年と読まれています(報告)。
値段の手がかりは、今回の eBay の「MIL-J-7823」の出品です。題に1950年代の AER や B〜E版の文字がある物が並び、中央値301ドル、80〜979.61ドルでした。300ドルの物を輸入すると、総額は64,929〜66,552円(関税10%の場合)です。サイズは、1950年代の版の寸法を規格書で確かめられていないので、タグの数字より実寸で選びます(→サイズは何で選ぶ?)。
山羊革の物を探すなら、1984年10月18日の改訂3より前の契約です。E版(1971年)のラベルには製造年月の欄があり、年を読みやすい版です。
下の箱の「1950年代の版(規格番号にAERの表示)」が、収集家が海軍航空局の略と説明する「AER」の付いた規格番号を探す検索です。国内で探すほうが向く場合もあるので、並べて書きます。
国内と海外、どちらで探す?
1950年代の版(規格番号にAERの表示)
AER は海軍航空局の略(収集家の説明)。シラー少佐の1着は同じ局の官給品(所蔵記録)
出品者が「Vintage L.W Foster US Navy G-1 … MIL-J-7823 (AER) … 1950s」として出している品(セカイモン、2026年10月1日)
写真:セカイモンの出品(2026年10月)
英語の検索語
MIL-J-7823 AER1960年代前半のB版・C版(WEPの表示)
出品は少なめ。契約番号は DSA で始まる物が多い
出品者が「Vintage USN 1962 G-1 MIL-J-7823B (WEP)」として出している品(セカイモン、2026年10月1日)
写真:セカイモンの出品(2026年10月)
英語の検索語
G-1 jacket 7823 WEP1966年からのD版
表紙の略号は (WP)。合成の襟も認められた版
出品者が「Vintage Vietnam Era USN G-1 … MIL-J-7823D (WP)」として出している品(セカイモン、2026年10月1日)
写真:セカイモンの出品(2026年10月)
英語の検索語
MIL-J-7823D1990年代末以降のExcelled製の官給品
牛革・合成の襟という持ち主の報告
出品者が「G-1 Leather Flight Bomber Jacket … DSCP Excelled」として出している品(セカイモン、2026年10月1日)
写真:セカイモンの出品(2026年10月)
英語の検索語
G-1 jacket Excelled DSCP
国内で探すのは、総額を抑えたい方に向きます。海外の中央値190ドルの物は、輸入すると総額43,378〜44,778円で、国内の「実物」の落札の中央値29,990円より高く出ました。海外で探すのは、欲しい版・メーカー・大きいサイズ(46・48)を選びたい方に向きます。国内のヤフオクで題から官給品と読めた「7823」の落札は、約180日で6件でした(2026年9月29日の観測。比べ方は買い方の選び方)。
第6章 買う前に何を確かめる? 実寸・英語の表記・関税
規格の寸法は、E版とF版のものしか確かめられませんでした。それより前の版は、タグのサイズの数字より、出品者に聞いた実寸で選んでください。
まず確かめたいのは、実寸・タグと当て布の写真・革と襟の英語の表記です。G-1は細めに着る服という意見があり、規格の寸法もE版とF版のものしか確かめられていないので、タグのサイズだけでは選べません。
サイズは何で選ぶ? 規格の寸法と実寸
手持ちの服と実寸で比べます。規格の身幅は、1サイズ上がるごとに1インチずつ増えます(サイズ40で22½インチ、約57cm)。1971年のE版と2020年のF版で、サイズ36〜48の身幅・背丈・袖下の数字は同じでした。cm は私の換算です。
| サイズ | 身幅(胸の半周) | 背丈(Regular/Long) | 袖下(Regular/Long) |
|---|---|---|---|
| 36 | 20½インチ(約52cm) | 21¼(約54cm)/22¾インチ | 15¾(約40cm)/17インチ |
| 38 | 21½インチ(約55cm) | 21¾(約55cm)/23¼インチ | 15¾(約40cm)/17インチ |
| 40 | 22½インチ(約57cm) | 22¼(約57cm)/23¾インチ | 16¾(約43cm)/18インチ |
| 42 | 23½インチ(約60cm) | 22½(約57cm)/24インチ | 16¾(約43cm)/18インチ |
| 44 | 24½インチ(約62cm) | 22¾(約58cm)/24¼インチ | 17¾(約45cm)/19インチ |
| 46 | 25½インチ(約65cm) | 22⅞(約58cm)/24⅜インチ | 17¾(約45cm)/19インチ |
| 48 | 26½インチ(約67cm) | 23(約58cm)/24½インチ | 18¾(約48cm)/20インチ |
- Long の丈はF版だけの区分で、E版には Regular にあたる1つの丈しかありません。
- 規格の寸法は E版と F版のもので、それより前の版の寸法は確かめていません。細めに着る服なので、厚いセーターを重ねる前提で大きくしないほうがよい、という意見もあります(報告)。
- 出品者に、脇の下の幅(pit to pit)・背の丈(length)・袖の長さ(sleeve)を測ってもらい、手持ちの服と比べてください。
出品の英語は、何を意味する?
年代の手がかりに直結するのは、革(goatskin・cowhide)と襟(mouton・synthetic)の語です。
| 英語 | 意味 | 確かめたいこと |
|---|---|---|
| goatskin/cowhide | 山羊革/牛革 | 牛革でも山羊の銀面に似せた仕上げがある |
| mouton collar/synthetic (Dynel) collar | 本物のムートン/合成の襟 | F版の官給品の襟は合成 |
| DSCP/DLA/SPO label | 1990年代以降などの官給品のラベル | ラベルの写真と契約番号 |
| USN perforated windflap | 当て布の USN の穴あけ | 切り取られていないか |
| replaced knits | リブを替えてある | 元のリブかどうかを気にする人もいる |
| Regular/Long | F版の丈の区分 | 袖下と背丈の実寸 |
状態の良し悪しの判断はこの記事ではしません。英語の意味と、フォーラムで気にされている点の紹介です。
英語で何と検索する?
版を絞るなら規格番号「MIL-J-7823」、1990年代以降の官給品なら「DSCP」を足して探します。
| 検索語 | ねらい |
|---|---|
| MIL-J-7823 | 規格番号で探す。版の英字を足して「MIL-J-7823C」なども |
| G-1 jacket DSCP | 1990年代以降の官給品 |
| G-1 flight jacket USN | 米海軍の品を広く探す。民生品も混ざる |
| 55J14 G-1 | 1940年代末の型(当時の物と復刻が混ざる) |
| MIL-J-7823 AER | 1950年代の、海軍航空局の略号の付いた規格番号の物(収集家の説明) |
関税は何%? 送れない物は?
- 革の衣類は、簡易税率を使わず一般の関税率になります。WTO協定税率は、毛皮のトリミングの付いた物が16%、その他が10%です。どちらに当たるかは通関で決まります。
- 課税価格の合計が1万円以下なら免税ですが、G-1の価格帯では多くの場合この額を超えます(推論)。計算のしかたは関税・消費税のページにあります。
- ポケットの中身や付け外しのパッチなどは出品者に確かめ、送れない物の一覧も見てください。
どこで買う? 買い方の選択肢
試着して袖と丈を確かめたいなら国内の店、米国の出品を買うなら eBay で直接か代行です。
| 買い方 | 向く場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 国内の古着店・ミリタリーショップ | 試着して袖と丈を確かめたいとき | 店ごとに値付けと在庫が違う |
| ヤフオク・メルカリ | 国内の個人の出品から探す | 題の「実物」は出品者の表記。実寸とタグの写真を頼む |
| eBay で直接 | 米国の出品を自分で買う | 英語でのやりとり。日本に送らない出品者もいる |
| 代行(セカイモンなど) | 日本語で eBay の出品を買う | 手数料・国際送料がかかる。総額は上の試算を参照 |
どの方法が合うかは、総額・手間・返品の決まりで変わります。比べた表は買い方の選び方にあります。
よくある質問
質問は、2026年9月29日の Google の検索候補に「G-1 フライトジャケット」「G-1 ジャケット」と並んで出た語(本物 見分け方・年代 判別・トップガン・サイズ選び・バイク)から選びました。
実物かどうかは、タグで分かりますか
分かりません。復刻にも規格番号や NSN を印刷したタグの物があり、売店向けの品にも官給品と同じ工程で作られた物がある、と収集家のガイドは書いています。タグから読めるのは、規格の版・契約の年・サイズなどの事実までです。この記事では真贋の判断はしません。
年代はどこで判別しますか
タグの規格番号の英字(A〜E、F)と、契約番号の年の2桁が手がかりです。1971年のE版のラベルには製造年月の欄がありました。E版の本文(1971年)は山羊革、1984年の改訂3からは牛革です。
『トップガン』の上着はG-1ですか
1986年の映画でトム・クルーズが着た上着は、G-1として知られています。ただし、どの契約の物かは写真が無く確かめられていません。続編の上着は、古いG-1を集めて作り直した物です。
サイズはどう選べばよいですか
規格の身幅は、サイズ40で22½インチ(約57cm)です。サイズの数字はおおむね胸囲のインチで、身幅×2から数インチの余裕を引いた値になります(推論)。出品者に実寸を聞いて、手持ちの服と比べてください。
バイクで着ると暖かいですか
規格書は「中間の気温帯」の服としています。海外のフォーラムには、冬の防寒着ではなく A-2 と変わらない、という意見があり、日本語の記事にもバイクでは前から風が入って寒いという話があります(どちらも報告)。
シラー少佐の1着は、1950年代の空母航空群のパッチを付けた、海軍航空局の官給品です。同じG-1の規格は、1951年の MIL-J-7823 から今の MIL-DTL-7823F まで続き、2025年5月15日の見直しでも取り消されず、次の見直しは2030年です。
関連する型番
- 米軍フライトジャケット早見表:A-2・MA-1・N-3B など11種の規格番号と時期の一覧
- 陸軍航空隊の革ジャン(A-2):陸軍航空隊の革のフライトジャケット。G-1と比べられることが多い型
- 中綿のフライトジャケット(MA-1):同じ規格番号と契約番号の読み方で年代を追える型
- 米軍衣類のタグの読み方:規格番号・NSN・契約番号の読み方
- 総額計算機:手数料・国際送料・関税の目安
- 関税・消費税:簡易税率・0.6掛け・1万円以下の免税
- 買い方の選び方:国内・eBay直接・代行の違い
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型番さがしの人
海外通販でマニアックな品を探すときの型番と総額を、規格書や海外の資料で調べて書いています。品物を買って試した話ではなく、資料で確かめたことを書いています。
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- A-2・MA-1の写真:San Diego Air & Space Museum Archives既知の著作権制限なし(Flickr Commons)元のページ(A-2MA-1)







