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型番で探す海外通販マニアックな品の年代と総額を調べるブログ

最終確認 資料44件

米国の鉄道時計の型番はムーブメントの刻印で分かるハミルトン992B・ヴァンガードなど早見表

この記事でわかること

  • 鉄道時計の型は、文字盤ではなくムーブメント(機械)の刻印で決まります。 ハミルトンは「992B」のような番号、ウォルサムやエルジンは「Vanguard」「B.W. Raymond」のような名前で呼ばれます。1869年に鉄道会社の注文で作られたエルジンの時計は、文字盤に鉄道会社の名前、ムーブメントに「B.W. Raymond」と刻まれていました。→6つの型の早見表・刻印の見方
  • 同じ名前でも、年代で中身が違います。 1869年の B.W. Raymond は鍵で巻く15石でした。1911年のウォルサムの案内では、Vanguard に18と16の2つのサイズと、19・21・23石がありました。→ウォルサムとエルジンの名前の読み方
  • ハミルトン992Bは、1945年の米陸軍の整備の手引きに載る懐中時計です。 手引きは「21石・16サイズ・鉄道グレード・992B」と書き、軍の物はケースの裏の番号の前に「OE」が付くとしています。製造年は、ムーブメントのCで始まる番号で絞れるとする資料があります。→992・992B・950Bの違い

この記事は、型番と年代を調べるための手引きです。本物かどうか・状態・値段の判断はしません。

型番さがしの人

海外の出品で「Waltham Vanguard」を探すと、1ページ目の25件のうち20件の題に「23J」があり、18サイズと16サイズが混ざっていました。同じ名前でどこが違うのかが気になって、メーカーの昔の案内、米陸軍の手引き、博物館の所蔵記録で6つの型を確かめ、1つの表にしてみました。

型番ごとの詳しいページ

この表はどう読む?(型番・グレード・鉄道規格)

  • 型番は、ムーブメントの「グレード」です。 ハミルトンは「992」「992B」のような番号、ウォルサムとエルジンは「Vanguard」「B.W. Raymond」のような名前を使いました。ケースは別の会社が作ることがありました。1869年のエルジンの時計は、ムーブメントがエルジン、ケースは別の会社の刻印です。
  • 鉄道規格(サイズ・石数・姿勢の調整・レバーセットなど)の条件は、年代と鉄道会社で変わりました。 条件の目安は時計のページの鉄道規格の節にまとめています。この表は、型ごとの中身を並べます。
  • 製造年の調べ方は、時計のページのシリアル番号の節にあります。 この表には、番号と年の対応表は載せません。
  • 表のセルは、確かめられた値だけです。 メーカーの資料・米陸軍の手引き・博物館の所蔵記録で確かめた値は「確定」、独立した資料で一致した値は「通説」です。販売店や愛好家の資料だけで一致した値は「コレクターの間の説」と出ます。確かめられない欄は「—」です。「出品での書き方」の列は、私がセカイモンで見た記録です(2026年10月1日)。

米国の鉄道時計は何がある? 6つの型の早見表

型番の下のリンクから、その型番のページで分かることを読めます。

確度の札(意味は表の下):確定通説コレクターの間の説観察

米国の鉄道時計の型(ハミルトン・ウォルサム・エルジン・イリノイ・ボール)
型番何の型かサイズ・石数調整・時刻合わせ・基準作られた時期見分けの手がかり(刻印・番号・文字盤)出品での書き方(観察)探す
Hamilton 992(992E を含む)
ほかの事実(1)
  • 作られた数: ハミルトンの鉄道向けの懐中時計で、いちばん多く作られた型コレクターの間の説
ハミルトンの鉄道向けの懐中時計。1920年ごろには、米国政府がフランスに米国が造った鉄道の時計に選んだ確定資料で確かめられていません資料で確かめられていません1940年まで。この年から後継の992Bに代わったコレクターの間の説1931年ごろから、温度で変わりにくい合金(エリンバー)のひげぜんまいを使った「992E」がある通説「Hamilton 992」の1ページ目25件のうち、16sが20件・21Jが21件。992Bが9件、992Eが3件まじる観察海外の出品を見る英語の検索語 Hamilton 992 21J
白い背景に置いた金色の懐中時計の文字盤。白地に黒い太いアラビア数字と「HAMILTON RAILWAY SPECIAL」の文字がある
Hamilton 992B992Bの年代と刻印の読み方を読む
ほかの事実(1)
  • 米陸軍の物: ケースの裏の番号の前に「OE」。白い文字盤に黒いアラビア数字、5分ごとの目盛りの数字は赤確定
ハミルトンの鉄道グレードの懐中時計。1945年の米陸軍の整備の手引きは、支給するハミルトンの懐中時計をこの1つとしている確定16サイズ・21石確定温度・等時性・6姿勢の調整。針はレバーを引き出して合わせる(レバーセット)コレクターの間の説1940〜1969年コレクターの間の説ムーブメントの番号はCで始まる。文字盤の多くに「Railway Special」コレクターの間の説「Hamilton 992B」の1ページ目25件のうち、16sと21Jが20件ずつ、「Railway Special」が11件観察海外の出品を見る英語の検索語 Hamilton 992B Railway Special
銀色の懐中時計のムーブメントを上から見た写真。波の模様の受け板に「Vanguard」「Waltham, Mass.」「19 Jewels」の金色の刻印がある
Waltham Vanguard(ヴァンガード)Vanguardの石数とサイズの見分け方を読む
ほかの事実(1)
  • 1911年の値段(ケースなし): 23石 40.00ドル、21石(18サイズ)37.50ドル、19石 35.00ドル確定
ウォルサムの鉄道向けの型。1911年の案内で、鉄道時計の先頭に挙がる確定18サイズと16サイズ。19・21・23石(1911年の案内)確定温度・等時性・5姿勢の調整。ダブルローラーの脱進機確定資料で確かめられていませんぜんまいの巻き残りを示す表示(Winding Indicator)付きの物がある確定「Waltham Vanguard」の1ページ目25件のうち、23Jが20件。18sが11件・16sが9件。「Up/Down」などの巻き残りの表示が5件観察海外の出品を見る英語の検索語 Waltham Vanguard 23J
エルジンのムーブメントの名前。エルジンの初代社長 B.W. Raymond の名から確定1869年の所蔵品は18サイズ・15石で、鍵で巻く確定資料で確かめられていません1867年、エルジンの最初のムーブメントにこの名が付いた通説1869年にペンシルベニア鉄道の注文で作った物は、文字盤に「PENNSYLVANIA RAILROAD CO.」、ムーブメントに「B.W. Raymond」確定「Elgin B.W. Raymond」の1ページ目25件のうち、16sが9件・18sが6件、21Jが8件・19Jが6件。腕時計も2件観察海外の出品を見る英語の検索語 Elgin B.W. Raymond railroad
Illinois Bunn Special(バン・スペシャル)
ほかの事実(1)
  • 会社: 1928年にハミルトンがイリノイ・ウォッチ社を買った通説
イリノイ・ウォッチ社の鉄道時計で、いちばん知られた型通説16サイズの21石と23石コレクターの間の説資料で確かめられていません1932年まで。この年、イリノイの工場が閉じられた通説資料で確かめられていません「Illinois Bunn Special」の1ページ目25件のうち、16sが12件・18sが6件、21Jが14件・23Jが8件。「60 Hour」などが7件観察海外の出品を見る英語の検索語 Illinois Bunn Special 16s
Ball Official RR Standard(ボール)
ほかの事実(1)
  • 基準の広がり: 1893年に多くの鉄道が、ボールの基準を採り入れた通説
鉄道の時計の検査官ウェブ・C・ボールの会社が、自社の名で売った鉄道時計確定資料で確かめられていませんボールは鉄道の時計の基準と検査の仕組みを作った。検査は年2回確定会社は1891年から確定資料で確かめられていません「Ball Official Standard」の1ページ目25件のうち、題に Hamilton が3件・Waltham が3件・Elgin が1件。スイス製の今の腕時計もまじる観察海外の出品を見る英語の検索語 Ball Official RR Standard

確定=公的機関・規格団体・メーカーなどの出典で確かめた事実。通説=独立した複数の資料で一致している説(コレクターの資料だけによるものは「コレクターの間の説」)。観察=運営者が出品での書かれ方を見た記録で、製品の事実の根拠にはしていません。「—」=資料で確かめられていない項目です。推測では埋めていません。

  • Hamilton 992Bの写真:セカイモンの出品(2026年10月)セカイモンの許可を得て掲載
  • Waltham Vanguard(ヴァンガード)の写真:Tim Davenport(一部を切り出し)CC BY-SA 4.0元のページ
  • Elgin B.W. Raymond(B.W. レイモンド)の写真:Joe Haupt(一部を切り出し)CC BY-SA 2.0元のページ

表の出典の格は、ページ下の出典一覧にあります。米陸軍の手引きはS級、メーカーの資料(ウォルサムの1911年・1912年の案内、ハミルトン・ボールの公式サイト)と博物館の所蔵記録はA級、Wikipedia と雑誌はB級、販売店・修理店・愛好家のサイトはC級です。

手元の1個の型は、どこを見れば分かる?

型を決めるのは、裏ぶたを開けた中のムーブメントの刻印です。文字盤とケースだけでは、型は決まりません。

型番さがしの人

ムーブメントの写真が無い出品は、型を確かめられませんでした。探すときは、裏ぶたを開けた写真がある出品から見ていくのが近道です。

1. ムーブメントの刻印で、型の名前か番号を見る

  • エルジンとウォルサムは、名前が刻まれます。 1869年のエルジンの所蔵品は、ムーブメントに「B.W. Raymond」とエルジンの地名が刻まれていました。この記事の Vanguard の写真にも、受け板に「Vanguard」「19 Jewels」の文字があります。
  • ハミルトンは、番号で呼ばれます。 1945年の米陸軍の手引きは「model 992B」と番号で書いています。
  • ケースの番号は、ムーブメントの番号とは別です。 ケースとムーブメントは別の会社が作ることがありました。年を調べる番号はムーブメントの側です。

2. 文字盤の文字は、型の決め手にならない

  • 文字盤の鉄道会社の名前は、注文した会社の名前です。 1869年のエルジンの時計は、文字盤に「PENNSYLVANIA RAILROAD CO.」とありました。型の名前はムーブメントの側にありました。
  • 「Railway Special」の文字盤は、992Bだけの物ではありません。 「Railway Special」はハミルトンの登録商標で、992Bの多くの文字盤にこの文字があったとされます。海外の出品では、950Bの題にも「Railway Special」が入っていました。

3. 石数と調整の刻印を、表の値と比べる

ウォルサムは、1911年の案内で Vanguard を「19〜23石、温度・等時性・5姿勢の調整」としています。刻印の石数が表の値と合わなければ、別の型かもしれません。どの型かを判定するのではなく、確かめる手がかりとして使ってください。

4. 番号の頭の英字で、ハミルトンの型と年代を絞る

  • 992Bのムーブメントの番号は、Cで始まるとする資料が3件あります。番号と年の対応は、それらの資料で確かめてください(この記事には対応表を載せません)。
  • 950Bは「2B」か「S」、軍用の4992Bは「4C」で始まるとする資料があります(愛好家と修理店の資料2件)。
  • 米陸軍の992Bは、ケースの裏の番号の前に「OE」が付きます。 1945年の手引きの記載です。ムーブメントのCの番号とは別の、軍の番号です。

ハミルトンの992・992B・950Bはどう違う?

992Bは、992の後継として1940年に出た型です。950・950Bは、同じ16サイズで石の数を23にした型です。

型番さがしの人

ハミルトンの3つは、文字盤だけを見るとよく似ています。資料を並べると、違いはひげぜんまいの合金と石の数でした。

  • 992(1940年まで): 1920年ごろには、米国政府がフランスに米国が造った鉄道の時計に選んだと、ハミルトンの公式サイトが書いています。1931年ごろから、温度で変わりにくい合金のひげぜんまいを使った「992E」が作られたとする資料があります。
  • 992B(1940〜1969年): 16サイズ・21石。ひげぜんまいの合金を改め、992とは部品の互換が無い新しい設計だったとする資料があります(コレクターの間の説)。スミソニアンの米国立アメリカ歴史博物館にも、992Bの所蔵品があります。
  • 950B(1940年代のはじめから): 23石の950の「B」の版です。992Bと同じころに始まったとする資料が4件あります。終わりの年は、1965年とする資料と1968年とする資料で分かれます。
  • 4992B(軍用): 16サイズで黒い24時間の文字盤の、米軍の航法用の懐中時計です。石の数は資料で分かれます。サンディエゴ航空宇宙博物館の1942年の所蔵記録は「22 Jewels」と書き、Wikipedia英語版は21石の鉄道グレードのムーブメントとしています。鉄道向けの992Bとは、型番も文字盤も違います(992Bのページの兄弟の型の節)。

ハミルトンは1969年に、米国ランカスターの工場での製造をやめました。米国製の最後の鉄道向け懐中時計は992Bだったとする資料もあります。

ウォルサム・エルジン・イリノイ・ボールは、名前で見分ける

ハミルトン以外の会社の鉄道時計は、番号より名前で呼ばれることが多い型です。

  • ウォルサム: 1911年の案内は、鉄道時計として Vanguard のほかに「Crescent St.」「Riverside」「No. 845」「No. 645」を挙げています。値段(ケースなし)は Vanguard の23石が40.00ドル、Crescent St. の21石が31.50ドル、No. 645(16サイズ・21石)が28.50ドルでした。Crescent St. の出品は、1ページ目の24件のうち21Jが10件で、部品だけの出品も多く見えました。
  • エルジン: B.W. Raymond は、1867年に最初のムーブメントに付いた名前です。同じ名前が長く使われたので、18サイズの物も16サイズの物もあります。ほかに「Father Time」「Veritas」も鉄道向けの名前として挙げられています(コレクターの資料2件)。
  • イリノイ: Bunn Special がいちばん知られた型です。60時間動く版がある、とする資料があります(年は資料で分かれる)。
  • ボール: ボールは時計の検査の仕組みを作った会社で、ムーブメントはハミルトンなど米国の会社が作ったとされます(コレクターの資料2件)。海外の出品でも、題に Hamilton・Waltham・Elgin の名前が入った物がありました。

鉄道の腕時計はある?

1945年の米陸軍の手引きでは、鉄道グレードの懐中時計と腕時計で、許す誤差の幅が違いました。

  • 鉄道グレードの懐中時計は、極端な2つの姿勢で1日の差が12秒以内です。
  • 腕時計は、1日に−15秒から+45秒の範囲です。

鉄道の仕事で認められた腕時計として、エルジンの B.W. Raymond の腕時計(グレード730A)を挙げる資料があります(修理店の資料1件。確かめられていません)。ボールの腕時計「Trainmaster」は1959年にスイス製のムーブメントで出たとする資料もあります(愛好家の資料1件)。この記事の表には、腕時計の行を入れていません。

海外の出品で探す前に確かめたいこと

国内で同じ型が見つかるなら、国内のほうが合うこともあります。ヤフオクの落札(約180日)を「ウォルサム バンガード」で調べると7件あり、落札の価格の中央値は31,100円でした。海外の出品の1ページ目の価格の中央値は356ドルでした。356ドルの品を米国から取り寄せると、総額計算機の目安(重さ0.5kg、2026年10月20日着の想定)では69,746〜83,986円になります。国内の落札で見つかるなら、国内のほうが安く済むことがあります。

  • 海外で探す意味があるのは、国内に出てこない型を探すときです。 「ハミルトン 992B」の国内の落札は、約180日で1件でした。海外の出品では、1ページ目の25件のうち20件の題に992Bがありました。表の行の「海外の出品を見る」から、型番で探せます。
  • ムーブメントの写真がある出品を選びます。 型と番号は、ムーブメントの刻印でしか確かめられません。写真で読めない出品は、届くまで確かめられないと考えてください。
  • 関税と送れない物は、時計のページにまとめています。 懐中時計の関税・消費税は時計のページの関税の節、電池や革のバンドの扱いは送れない物の一覧で確かめてください。

この記事で扱わないこと

  • 本物かどうか、状態、値段の判断
  • シリアル番号と製造年の対応表(時計のページで調べ方を書いています)
  • 鉄道会社ごとの承認の一覧(会社と年代で違うため)

このブログは、ハミルトン・ウォルサム・エルジン・イリノイ・ボールとは関係のない非公式のブログです。ブランド名や型番は、説明のために文字で書いています。

いちばん意外だったのは、長く鉄道向けの名前として使われた B.W. Raymond の、1869年に鉄道会社の注文で作られた1個が、鍵で巻く15石だったことです。同じ名前でも、年代で中身はここまで違います。

この記事を書いた人

型番さがしの人

海外通販でマニアックな品を探すときの型番と総額を、規格書や海外の資料で調べて書いています。品物を買って試した話ではなく、資料で確かめたことを書いています。

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